株と違って“潰れない”?不動産投資を始める前に読むリアルな話

不動産投資

「不動産は潰れない」って本当?その誤解から始めよう

「株式投資は企業が倒産したら終わり。でも不動産は“物”だから潰れない!」
こんな言葉を一度は聞いたことがありませんか?

たしかに、不動産は建物や土地という“現物資産”。株のように紙切れになることは基本的にありません。しかし、「潰れない=安全」と思い込むのは要注意。実際の不動産投資には、目に見えにくい“崩壊リスク”が潜んでいるのです。


株と不動産の最大の違い:「目に見える vs. 見えにくい」

株は数字やチャートでリスクが見える世界。一方、不動産は「建物がある」「人が住んでいる」など、安心感が先に立ちます。

でも実際には、こんなリスクが…

リスク不動産株式
倒産所有者が破綻しても土地は残るが、借金は残る株券が無価値になる
価格下落地域や空室率によって暴落あり市場次第で大きく上下
流動性売却に数ヶ月~年単位数秒で売却可能
メンテコスト修繕・管理費など継続コストが高い基本的に不要

このように「潰れない」と言っても、資産価値が下がる・維持費がかさむ・売れないといった“目に見えないリスク”が不動産には山ほどあるのです。


「不労所得」は幻想?サラリーマン大家の現実

SNSでは「家賃収入でFIRE」「1棟マンションで脱サラ」なんて夢のような話があふれていますが、現実の不動産投資はむしろ**“労働に近い”**側面も多いのです。

よくある現実エピソード

  • 🧯入居者から夜中に「水漏れしてます!」と電話
  • 🧹共用部のゴミ放置、近隣クレーム対応
  • 🛠修繕に想定外の数十万円出費
  • 🧾家賃滞納者への催促と法的対応

これは極端な話ではなく、多くの初心者オーナーが通る“リアルな道”。
「潰れないけど、疲弊する」可能性は十分にあります。


では、なぜそれでも不動産投資が人気なのか?

答えはシンプル。「レバレッジ」と「キャッシュフロー」です。

不動産の強み

  • 融資を活用できる(1割の自己資金で1棟買える世界)
  • 家賃収入が安定しやすい(株の配当より定期性あり)
  • 減価償却で節税効果あり(特に法人化後は有利)

たとえば、3000万円の物件を頭金300万円で購入し、月10万円の家賃収入を得られたとします。ローン返済や管理費を引いても、数万円が毎月手元に残る計算。

この**「自分が働かなくても得られるお金」**が、不動産投資の醍醐味なのです。


不動産投資の「潰れない」を活かす方法

潰れにくいのは事実です。ただし、活かせるかどうかは“買い方”次第。
以下のポイントを押さえて投資判断しましょう。

① 立地は「利便性」より「需給バランス」

駅近=正義ではありません。人口が減っているエリアでは、空室リスクが高くなります。供給過多のエリアは避け、需給が安定しているエリアを選ぶのが鉄則。

② 表面利回りより「実質利回り」をチェック

家賃収入÷物件価格だけ見ても意味なし。
管理費、修繕費、空室率、税金を引いた手残りを計算すべきです。

③ 築年数が古すぎる物件は「負動産」リスク

利回りが高く見えても、築30年以上の物件は修繕費が重くのしかかります。再建築不可や耐震性にも注意を。


まとめ:潰れないけど「落とし穴だらけ」

不動産投資は、確かに現物資産で“潰れにくい”という特性を持っています。でもその安心感ゆえに、リスクの見逃しが起きやすい投資でもあります。

「潰れないから安心」ではなく、「潰れないからこそ、維持管理が必要」と認識しておくことが、成功の第一歩。

まるで、果物の木を買うようなものだと考えてみてください。
木は枯れにくいけれど、水やり・剪定・害虫対策をしなければ実はならない。

手間と知識をかければ、毎年しっかり実をつけてくれる。
それが不動産投資のリアルであり、魅力です🌱