『中学英語だけでOK』はウソ?リアルな現場で使えない理由

英語学習

「中学英語だけで英語は話せる!」
よく聞くこのフレーズ、一見シンプルで希望にあふれたメッセージです。しかし、実際にビジネスや海外旅行、留学などの現場で英語を使ったことがある人ほど、「中学英語だけでは通用しなかった」と語ります。

本記事では、“中学英語神話”の正体をひも解きつつ、なぜそれだけでは通用しないのか?、そしてどうすれば「使える英語」に変えられるのかを掘り下げていきます。


✅ よく聞く「中学英語だけでいい」は本当?

まず前提として、「中学英語=基礎的な文法と単語」には大きな価値があります。

  • be動詞、一般動詞、助動詞
  • 現在・過去・未来の時制
  • if, because, when などの接続詞
  • 基本単語(go, make, like, want, etc.)

実際、これらを使って「簡単な会話」は可能です。たとえば…

“I want to go to the station.”(駅に行きたい)
“Can I use this?”(これ使ってもいいですか?)

このように、伝えたいことの骨組みは十分に作れるのです。


❌ ではなぜ「通用しない」と言われるのか?

① 実際の英語はスピードが速すぎる

中学英語の学習では、1文ずつゆっくり発音される音声教材が多く使われます。しかし、ネイティブや実務英語は想像以上にスピーディー。

例:
“What are you going to do later?”
↓聞こえるのは
“Whatcha gonna do later?”

中学英語の教科書では出てこない“短縮形”や“省略”に慣れていないと、聞き取ることすら難しいのが現実です。


② 語彙力の壁にぶつかる

中学英語で扱う単語はおよそ1200語前後。しかし、日常会話では3000〜5000語、ビジネス英語では8000語以上が必要とも言われています。

「問題文の意味はなんとなく分かるけど、選択肢の単語が分からない」
「レストランでメニューが読めない」
こうした場面では、語彙不足が致命的になります。


③ 状況・文化によって“言い回し”が異なる

たとえば、以下の2文はどちらも「ドアを開けてくれますか?」という意味ですが…

  • “Can you open the door?”
  • “Would you mind opening the door?”

日本語ではどちらも丁寧ですが、英語圏では後者の方がより控えめで丁寧な印象
中学英語では学べないこうしたニュアンスや丁寧表現が、実社会では非常に重要なのです。


④ 英語は「言葉」以上の“空気の読み合い”がある

たとえば、上司がこう言ったとします。
“That might be a bit challenging.”(ちょっと難しいかもね)

日本語に直訳すれば「ちょっと難しい」ですが、本当の意味は「やめたほうがいい」かもしれません。
英語圏では曖昧に遠回しにNOを伝える文化
もあるため、直訳だけでは相手の真意を読み取れないのです。


🧠 なぜ「中学英語でOK」という言説が広まったのか?

このフレーズには、主に以下のような背景があります。

  • ✅ 難しく感じる英語への“心理的ハードル”を下げたい意図
  • ✅ 一部の教材・YouTuberの“売れるキャッチコピー”としての利用
  • ✅ 英語学習の第一歩を踏み出しやすくするための啓蒙

つまり、「中学英語で話せる=英語は簡単!」という印象を与えることで、学習のスタートを促す目的で使われているケースが多いのです。


🛠️ 「中学英語+α」で“使える英語”に進化させる方法

では、実際にどうすれば中学英語をベースに、実務や日常で使える英語にレベルアップできるのでしょうか?


✅ ① 音読×シャドーイングで耳と口を鍛える

中学英文を何百回も声に出して練習することで、反射的に口から出せるようになります。
シャドーイングでは「ネイティブのスピードに慣れる」ことが可能。


✅ ② 英語で日記をつけて“自分の言葉”を作る

中学英語の文法を使って、自分の1日を英語で書き出してみましょう。
例:“I went to a supermarket today. I bought some apples.”
簡単でもいい、“自分の表現”を増やすことが、応用力につながります。


✅ ③ AI英会話やアプリで“練習の場”を増やす

最近はChatGPTやAI英会話ツール(Speak、トーキングマラソンなど)で、間違えても恥ずかしくない環境が手に入ります。
実戦的な“アウトプット”の場を持つことで、中学英語がようやく“生きたスキル”になります。


🎯 結論:「中学英語だけ」では足りない。でも“使い方”で変わる

中学英語は英語学習の大切な土台です。
しかしそれだけでは、実際の場面で聞けない・話せない・伝わらないことが多いのが現実。

大切なのは、中学英語を「ゴール」と捉えるのではなく、“スタート地点”として活用することです。

「文法は完璧じゃなくてもいい」
「まずは伝えようとする姿勢が大事」
「中学英語は“使ってナンボ”」

この視点を持つことで、あなたの英語はぐっと実用的に進化していきます🌱✈️