「TOEIC900点です!」
面接でそうアピールしたのに、仕事で英語が通じない。そんな“スコアエリート”が実は増えていることをご存じでしょうか?
本記事では、「なぜTOEICの点数が高いのに実務で使えない人がいるのか?」を深掘りし、英語を“本当に使えるスキル”に変えるための視点をお届けします。
✅ TOEIC高得点は「英語力の証明」ではなく「一部の能力のスコア」
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語のリスニングとリーディングの力を測定するためのテストです。つまり「読む」「聞く」能力に偏っており、話す・書く力(スピーキング・ライティング)は含まれていません。
TOEIC 900点以上でも英語で話せない、メールの返事が書けない…という人は意外と多いのです。
💬 実務で通用しない人の特徴5選
TOEICスコアが高いのに実務でつまずく人には、ある共通点があります。
① 英語を「正解するもの」と捉えている
テストは正解がある世界。しかし実務の英語には正解がない。意図が伝われば多少文法が崩れていてもOKな場面が多いですが、「間違えたくない」気持ちが先行し、発言できないまま沈黙する人が多く見られます。
② ビジネス英語の型を知らない
例えば「I will check it.」はカジュアルですが、ビジネスメールでは「I will look into it further.」の方が丁寧。
TOEICでは出てこない**フォーマルな表現や“緩衝言語”**を知らないと、メール一通で失礼に見えてしまいます。
③ 話す訓練をしていない
TOEICは「会話力」を評価しません。発音、抑揚、リズム、会話のキャッチボール…これらは実際に声を出す練習でしか身につかないのです。
④ 状況判断や文化理解がない
英語は言葉だけでなく、文脈と文化も重要。たとえば「Yes」は必ずしも「同意」ではなく、場を和ませるために使われることもあります。TOEICではこうした**“裏の意味”や空気の読み合い**は測定されません。
⑤ 自分の英語に過信しすぎている
スコア=自信になりすぎて、現場での修正やフィードバックを素直に受け取れなくなる人もいます。英語はコミュニケーションツールであって、プライドの拠り所ではないことを忘れてはなりません。
🧠 TOEICの本当の役割とは?
TOEICは「初級〜中級レベルの英語基礎力を測るツール」であり、次のような位置づけが適切です。
スコア帯 | 意味すること | 実務レベルの期待 |
---|---|---|
600未満 | 基本文法・語彙の習得途上 | 実務使用は難しい |
700前後 | 文書・会話の概要理解が可能 | 補助的な作業なら対応可能 |
800以上 | 幅広い内容を理解できる | 交渉や会議には別途訓練が必要 |
900以上 | テスト対策に長けている可能性が高い | 実務力と一致しない場合も |
つまり、高スコア=実務で通用する英語力とは限らないということです。
🧩 なぜ日本では「TOEIC神話」が根強いのか?
日本の企業では長年、「TOEIC〇〇点以上が昇進条件」などとされてきました。この背景には次のような要因があります。
- ✅ 英語力を**数値で“見える化”**しやすい
- ✅ 採用・評価の際の客観的指標にしやすい
- ✅ 実務での使用頻度が少ない企業が多かったため
しかし、近年では**「TOEIC重視から実務重視へ」**とシフトする企業も増えてきています。
💡 実務で使える英語力を鍛えるには?
では、スコア偏重から抜け出し、「本当に使える英語力」を身につけるには何が必要なのでしょうか?
✅ ① 声に出すこと:アウトプット中心の学習
黙読ばかりでは「話す筋肉」は育ちません。シャドーイング、独り言英会話、AI英会話ツールなどで毎日声に出す習慣を。
✅ ② 文法より“意図を伝える”意識
多少間違えても「伝わればOK」。相手に伝えることがゴールという本来のコミュニケーション観を大切に。
✅ ③ 英語を使う“環境”に飛び込む
英語は筋トレと同じで、実践あるのみ。オンライン英会話や英語プレゼン勉強会、英語で日記など、リアルな使用場面を日常に組み込みましょう。
✨ TOEICは入り口。本当の勝負はその先にある
TOEIC高得点は、たしかに努力の証です。しかしそれだけで「英語ができる人」と思い込むのは危険。
真の英語力は、“伝える力・聞く力・関係を築く力”を伴った総合的スキルなのです。
スコアだけに満足せず、その先にある「使える英語」に一歩踏み出してみましょう💪🌍
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