近年、「ディープステート」という言葉は国際政治や経済を語るうえで頻繁に登場するようになりました。アメリカの軍産複合体や国際金融資本、メディアや官僚機構などが裏で国家を動かしているとする見方は、多くの批判や議論を呼んでいます。今回ご紹介する9冊は、そうしたディープステートの危険性を鋭く告発し、日本や世界の未来を考えるための問題提起を行うものです。
日米関係の従属構造、トランプとディープステートの戦い、日本が「本丸」とされる仮説、米中対立や国際金融の支配構造まで――それぞれの本が異なる角度から切り込んでいます。賛否は分かれますが、主流メディアの報道では得られない視点を持ち、国際情勢を多面的に理解するきっかけになるでしょう。
日本独立! ~アメリカ・ディープステート占領支配から脱するために
- 著者:原口 一博
- 発売年月:2024年12月

概略(どんな本か)
戦後80年の節目に、「日本は本当に独立国なのか?」を問うオピニオン書。著者は“ディープステート(軍事・金融・医療などのグローバル利権構造)”が日本の主権行使を縛ってきたと見立て、日米地位協定やエネルギー・通貨の支配、情報戦、原子力・処理水問題までを“占領支配”の延長として論じています。
章立ては、独立に向けた前提整理→「独立国ではない理由」→国家戦略→日本人論→被ばく・ALPS処理水などの論点→防衛・核保有論を含む政権選択という流れで、最後に憲法・安全保障・外交の再設計を「日本独立の基本戦略」として提案します。
主要論点(専門的に深掘り)
- 日米地位協定と主権
司法権や環境規制が制限される構造を批判し、基地運用や裁判権の見直しを提起。沖縄や尖閣問題を例に「独立を阻む仕組み」として分析しています。 - 通貨・エネルギー・医療をめぐる“支配”
ドル基軸体制やエネルギー供給網が日本の政策自由度を縛っていると解説。医療面ではワクチン政策を“情報戦”の文脈で取り上げ、国際的な利権構造との関係性を問題視しています。 - 原子力・ALPS処理水・被ばくの再検討
放射線影響の過小評価を批判し、IAEAや国際規制基準の透明性を問い直す視点を提示。科学的議論と政治的判断の結びつきに着目しています。 - 防衛・核保有論の是非
防衛戦略や核抑止をどう位置づけるかを論点化。核廃絶を志向しつつも、日本がとるべき現実的な安全保障政策について議論を展開しています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「戦後日本の従属構造を体系的に整理してくれる」「安全保障や通貨、エネルギーをつなげて論じる切り口が新鮮」との声が多く、日米関係を批判的に捉えたい読者から支持されています。 - 批判的な評価
「ディープステートの定義が曖昧」「エビデンスが弱い部分があり、科学的議論としては物足りない」との指摘もあります。特に核や放射線の記述については、専門家からは慎重さを欠くとの意見も見られます。 - 中間的な評価
「問題提起の幅広さは有益だが、具体的な政策提案としては抽象的」「参考資料を自分で確認しながら読む必要がある」とする読者も多く、刺激的だが検証を前提とした読み方が推奨されています。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
安全保障・通貨・エネルギー・情報を横断的に捉え、従属構造を構造的に描いた点が高評価につながっています。 - 批判派の核心
“ディープステート”概念は社会科学的に検証が難しく、反証可能性に欠ける点が批判の中心。専門分野の記述の正確性について疑問を呈する声もあります。 - 中間派の読み方
「問題提起のカタログ」としては価値があり、各章を出発点に一次資料や国際報告書を確認しながら読むのが適切とされています。
本書は、日米同盟や通貨・エネルギー・医療の依存構造を「独立阻害要因」として描き直した総論的な問題提起書です。分野横断的な視点は読者に強い刺激を与える一方で、根拠の検証可能性や科学的厳密性には差があり、読み手に主体的なリテラシーが求められます。政策や安全保障に関心を持つ読者にとっては、賛否を超えて「考えるための土台」となる一冊といえます。
ついに始まった ディープステートの崩壊と日本の危機
国を滅ぼす官僚・過激リベラル・グローバリストと国を愛する者たちの戦い
- 著者:スティーブ
- 発売年月:2025年7月

概略(どんな本か)
本書は、世界的に議論を呼ぶ「ディープステート崩壊論」を日本の現状に重ね合わせて論じた書籍です。著者は、米国の権力中枢で暗躍する“影の政府”が、官僚機構や国際的なグローバリスト、急進的リベラル勢力を通じて日本にも影響を及ぼしていると主張します。
大きく分けて「ディープステートの実態」「日本が直面する危機」「国を守る者たちの抵抗」の3部構成で、アメリカ政治の分裂やトランプ現象を背景に、日本がどのように巻き込まれ、国益を守るために何が必要なのかを問いかけています。
主要論点(専門的に深掘り)
- ディープステートの構造分析
国際金融資本、ITメディア、官僚機構、リベラル思想が複合的に結びつき、民主的統治を形骸化させているとする視点。特にメディアと司法の関与に着目し、「世論操作」と「法の支配の歪曲」が繰り返されていると指摘します。 - 日本の危機
外交・防衛での従属、増税と財政政策による国民負担、移民政策の影響などを取り上げ、日本の主権と文化的アイデンティティが危機にさらされていると強調。特に「財務官僚による経済支配」と「グローバリズムによる国家解体」が強調されています。 - 国を愛する者たちの戦い
トランプ前大統領や欧米の保守層の動きを“反ディープステート勢力”として取り上げ、日本においても同様の“国を守る国民運動”が必要だと訴えています。ここでは政治的行動のみならず、情報発信・教育・地域社会での草の根活動が重視されています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「メディアが伝えない真相に光を当ててくれる」「日本の危機を具体的に示し、問題意識を喚起してくれる」という声が多いです。国際政治に対して懐疑的な読者から強い支持を得ています。 - 批判的な評価
「陰謀論的な部分が強く、証拠の裏付けが弱い」「概念が曖昧で科学的な検証が難しい」との指摘もあります。特に“官僚”や“リベラル”といった大きな括りで敵を描くことへの違和感が表明されています。 - 中間的な評価
「全体としては誇張があるが、官僚制やグローバル資本の問題提起としては有用」「読み物としては刺激的で面白いが、政策論としては抽象的」とする意見も見られます。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
ディープステートの存在を「世界情勢を理解する枠組み」として提示している点に共感が集まっています。特に、官僚制や国際機関への依存を問題視する読者にとって、理論的な裏付けよりも“気づきを与える視点”が価値とされています。 - 批判派の核心
概念の広さや実証性の乏しさが大きな弱点とされます。証拠が断片的で、論理よりもイデオロギー的色彩が濃いとの評価があります。 - 中間派の読み方
「警鐘を鳴らす書」として受け取り、事実検証は別途行う前提で読むスタイルが推奨されています。単なる陰謀論ではなく、政治や社会の“権力構造を疑う視点”を養う読み物として一定の評価が与えられています。
本書は、日本が直面する問題を「ディープステート」という枠組みで総合的に解釈する試みです。学術的な厳密性は不足する部分がある一方で、官僚制・国際金融・メディアの複合的な力学に疑問を投げかける点は示唆的です。特に「国を守る草の根の意識改革」という提言は、読者に能動的な参加を促す力を持っています。
賛否は分かれますが、現代日本が抱える主権・経済・社会の問題を“別のレンズ”で考えたい人にとって、刺激的な一冊といえます。
トランプVSディープステート 最後の死闘
- 著者:馬渕 睦夫
- 発売年月:2025年6月

概略(どんな本か)
元外交官であり、国際政治解説でも知られる馬渕睦夫氏による、最新の「トランプとディープステートの戦い」を描いた書籍です。著者は、2024年米大統領選の余波とトランプ再登場の動きを背景に、「ディープステート(国際金融資本・メディア・官僚ネットワーク)」との最終的な戦いが激化していると論じます。
本書は、アメリカ国内の分裂を「内戦に近い状況」と位置づけ、日本を含む世界秩序への影響を解説。トランプの戦略と限界、ディープステートの手法と脆弱性を対比させながら、今後の国際政治を読むための視座を提供しています。
主要論点(専門的に深掘り)
- トランプの復活と戦略
トランプは「反グローバリズム」「反ワシントン体制」を旗印に、庶民層・保守層を動員。SNSと草の根運動を軸にディープステートへの抵抗を試みる姿を描きます。特に司法闘争と情報発信戦略が焦点です。 - ディープステートの反撃
金融・メディア・司法を駆使し、トランプを排除する動きを分析。選挙制度改革やメディアキャンペーン、訴追による「法的圧力」が主要な戦術とされています。 - アメリカの分裂と世界秩序
国内分断は米国の国際的リーダーシップ低下を招き、中国やロシアが影響力を拡大。日本は「対米依存を見直し、主体的な外交を再構築すべきだ」と提言されています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「メディアが報じない米国の権力闘争の実像を知れる」「日本外交への警鐘として参考になる」という声が多く、保守層を中心に高い評価を得ています。 - 批判的な評価
「トランプへの評価が過度に好意的」「“ディープステート”の定義が抽象的で、実証性に欠ける」という批判も見られます。特に学術的厳密さを求める読者からは懐疑的な意見が目立ちます。 - 中間的な評価
「陰謀論的な部分はあるが、国際政治の裏側を考える契機になる」「トランプ現象を理解する入門書として面白い」といったバランスの取れた読み方も存在します。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
ディープステートとトランプの対立を“構造的な戦い”として描き、ニュースでは見えにくい国際政治の背景を整理している点が評価されています。 - 批判派の核心
「トランプを英雄視しすぎ」「複雑な国際政治を“善と悪”に単純化している」との指摘が中心。具体的な証拠やデータに基づく議論が少ない点も弱点とされます。 - 中間派の読み方
実証性は薄くとも、「米国の分裂が国際秩序に与える影響」を考える契機として価値があるとみなす読者も多いです。
本書は、トランプとディープステートを「最終決戦」の構図で描き、アメリカの政治対立を世界秩序との関わりで解説する一冊です。研究書としての厳密性よりも、問題提起・警鐘の側面が強く、読者の視点を揺さぶる内容になっています。国際政治を「権力闘争の裏側」から理解したい人には刺激的で、批判的検証を前提にすれば有用な読み物といえます。
ディープステートに寝返ったトランプ! 搾取するアメリカは「底なし沼」に落ちる
- 著者:ジェイソン・モーガン
- 発売年月:2025年8月

概略(どんな本か)
アメリカ研究者であり保守系論客として知られるジェイソン・モーガン氏による挑発的な書。これまで「ディープステートと戦う存在」とされてきたトランプが、むしろその内部構造に取り込まれていく過程を描きます。著者は、トランプの政策や人事を冷静に検証しつつ、「反体制の象徴」が体制側に組み込まれてしまったことの意味を問いかけています。さらに、この変質が日本にとってどのような危機をもたらすのかを、通貨・防衛・エネルギー・外交の観点から論じています。
主要論点(専門的に深掘り)
- トランプの変質
初期のトランプは「反グローバル・反ワシントン」の旗手だったが、再登場後は人事・政策面で旧来の権力層と妥協を重ね、結果的にディープステートの延命装置となっていると批判。特に国防費配分と金融政策における“譲歩”を問題視しています。 - アメリカの「底なし沼」化
財政赤字、移民政策、金融システムの不安定さを「沼」の具体像として描写。ここでは、ディープステートを利する制度疲労が米国社会に蔓延し、出口が見えないと結論づけています。 - 日本への波及
米国依存のままでは日本は「共倒れ」するとの警鐘。円安や国債依存構造、防衛の過度な対米依存を「米国の危機の輸入」として整理し、独自戦略の構築を急務としています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「トランプ像を美化せず、冷静に変化を指摘している」「従来の“英雄トランプ論”とは一線を画す分析が新鮮」と評価されています。トランプ支持層以外の読者にも届きやすいとの声があります。 - 批判的な評価
「ディープステートに寝返った」という表現自体が過激で、裏付けが弱いとの指摘あり。「一部の政策の変化を“裏切り”と断じるのは短絡的」との批判もあります。 - 中間的な評価
「刺激的で考えさせられるが、事実と解釈を分けて読む必要がある」「問題提起書としては価値があるが、学術的研究としては不十分」という慎重な読み方も見られます。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
トランプを盲目的に支持するのではなく、その変質を厳しく問い直す姿勢が評価ポイント。保守層に内在する矛盾を突いた点に新しさがあります。 - 批判派の核心
“寝返り”というフレーズは扇動的で、複雑な政策決定過程を単純化しすぎているとの批判が中心。政治学的・歴史学的な検証が不足している点が問題視されています。 - 中間派の読み方
比喩的表現を割り引き、「米国政治の構造疲労を論じる書」として読むと有益という立場。著者の主張を“分析のたたき台”として利用する読み方が推奨されています。
本書は、これまで「反ディープステートの旗手」とされてきたトランプ像を覆し、むしろ支配構造に組み込まれていると批判する異色の視点を提示しています。学術的厳密さには欠けるものの、トランプを一方的に英雄視する議論に冷や水を浴びせる効果を持ちます。日米関係を新たな角度から捉えたい読者にとって、賛否を超えて考えさせられる一冊といえるでしょう。
本丸はJAPANだった! ディープステート壊滅最前線
- 著者:上部 一馬
- 発売年月:2025年9月

概略(どんな本か)
本書は「ディープステートの最終目標は日本である」という強烈な仮説を提示し、日本を舞台に繰り広げられる“見えない支配と抵抗”を描いた書です。著者は、戦後日本が経済大国として成長しつつも常に対米従属を余儀なくされてきた背景に、ディープステートの意図的な設計があると論じます。そのうえで、経済、外交、防衛、情報戦のあらゆる面で「壊滅戦線」が進行中であると警告しています。
主要論点(専門的に深掘り)
- ディープステートの最終標的は日本
アジアで唯一の先進工業国であり、米ドル体制の補完役として利用されてきた日本を「最後の支配拠点」と位置づけ。特に金融システム、知的財産、エネルギー政策に対する外圧が“見えない戦争”として整理されています。 - 経済と官僚制の結びつき
財務官僚による増税政策や、グローバル資本に迎合する経済運営を「ディープステートの代行者」として批判。国内政治が国益よりも国際的利益を優先していると指摘します。 - 情報戦とメディア操作
日本のメディア報道の偏りやネット規制の動きを「情報空間の支配」として論じ、世論操作の実態を分析。教育や文化政策も含め、日本人のアイデンティティを弱める方向に働いていると主張しています。 - 壊滅最前線としての日本人の役割
最終章では、日本こそディープステートの崩壊を決定づける拠点になり得ると位置づけ、「国民が主体性を取り戻すことが世界の潮流を変える」と結論づけています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「視点が斬新で、日本をめぐる国際政治の裏側を知れる」「国内問題と国際構造を結びつけて理解できる」との声が多く、保守系読者を中心に評価されています。 - 批判的な評価
「“日本が本丸”という設定は誇張が強すぎる」「論拠が薄く、陰謀論的」との意見もあり、特に学術的な裏付けを重視する層からは懐疑的な見方が出ています。 - 中間的な評価
「極端な仮説だが、現状の政治・経済を別の角度から考える刺激になる」「読み物としては面白いが、政策論としては抽象的」といったバランスを取った受け止め方もあります。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
“日本が鍵を握る”という主張が愛国心を喚起し、現実政治への問題意識を高める点が高評価につながっています。 - 批判派の核心
「なぜ日本が最終標的なのか」の根拠が弱く、複雑な国際関係を単純化しすぎているとの批判が中心。論理の跳躍が見られるとの指摘もあります。 - 中間派の読み方
事実性よりも“問題提起の書”として捉え、外交・経済の自立性を考えるきっかけにするという立場。仮説を検証材料として読むスタイルが推奨されています。
『本丸はJAPANだった!』は、日本をディープステートとの最終決戦の舞台として描いた挑発的な一冊です。論理の精緻さよりも、問題提起と警鐘としての役割が大きく、読者の意識を揺さぶることに重点が置かれています。学術的に受け止めるには慎重さが必要ですが、「日本の自立」や「国際政治の裏側」を考えるきっかけ本としては刺激的で、賛否を超えて議論を喚起する内容になっています。
誰も書けなかったディープ・ステートのシン・真実
- 著者:宮崎 正弘
- 発売年月:2023年2月

概略(どんな本か)
国際情勢や中国研究で知られる評論家・宮崎正弘氏によるディープステート論。従来の解説が断片的・表層的であるのに対し、本書は「誰も語れなかった真実」を提示することを目標にしています。米国政治におけるディープステートの実像と、その影響が日本やアジア、さらにウクライナ戦争などの国際情勢にどう結びついているのかを包括的に論じています。
著者は、ディープステートを単なる陰謀論的な存在ではなく、軍産複合体、国際金融資本、グローバルメディアなどの利害ネットワークとして描き、歴史的背景と現代の事例を結びつけています。
主要論点(専門的に深掘り)
- ディープステートの歴史的形成
冷戦期から続く軍産複合体や情報機関の拡大が、国家主権を超えた「見えざる政府」を形成したと分析。特にCIAと国際金融の関係を取り上げ、対外政策の背後にある利権構造を解説しています。 - 国際金融とメディア支配
国際金融資本がメディアを通じて世論を誘導し、自由主義や人権を口実に介入を正当化してきたと主張。具体例としてリーマンショック後の世界秩序やSNS規制などを挙げています。 - ウクライナ戦争とディープステート
ウクライナ紛争を「ディープステートとロシア・中国との代理戦争」と位置づけ、西側諸国が軍需と金融の利益のために衝突を長期化させていると論じています。 - 日本への影響
安保体制やエネルギー、外交政策が米国依存に傾斜するのは「日本がディープステートの支配下にあるため」と指摘。日本が独自の外交・経済戦略を構築しない限り、危機は続くと警告しています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「国際政治の裏側を知るのに有益」「断片的な情報を体系的にまとめており、全体像が見えやすい」と好意的な意見が多いです。特にウクライナ戦争の解釈は新鮮だと受け止められています。 - 批判的な評価
「裏付けが弱く、陰謀論的に聞こえる部分もある」「ディープステートを大きな袋に詰め込みすぎ」といった批判もあり、学術的厳密さに疑問を持つ読者もいます。 - 中間的な評価
「論理展開は刺激的で読み物として面白いが、一次資料を確認しながら読む必要がある」「問題提起としては価値がある」という冷静な受け止め方も見られます。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
表に出ない国際政治の利害関係を明快に提示しており、「ニュースで語られない文脈を補完する」という点に強い支持があります。 - 批判派の核心
ディープステートという概念が包括的すぎるため、「何でも説明できてしまう」という懸念が批判の中心。エビデンスの強度が章ごとに不均一であることも弱点とされています。 - 中間派の読み方
問題提起の書として活用し、各論点を自分で裏取りしながら読むのが適切との立場。刺激的な視点を得る“入り口本”として評価されています。
『誰も書けなかったディープ・ステートのシン・真実』は、ディープステートを「国際利権ネットワーク」と定義づけ、現代の戦争や経済危機をその延長で説明する意欲的な一冊です。理論の精緻さよりも大胆な仮説提示に重きが置かれており、賛否は大きく分かれます。学術的に検証するには慎重さが必要ですが、「国際情勢を裏側から理解したい」「主流メディアとは異なる切り口を探したい」読者には刺激的な問題提起本となっています。
ディープ・ステイトとの血みどろの戦いを勝ち抜く中国
- 著者:副島 隆彦
- 発売年月:2021年12月

概略(どんな本か)
国際金融論や地政学を専門とする評論家・副島隆彦氏によるディープステート論。タイトルが示す通り、中国を主役に据え、「アメリカ・ディープステートとの激突のなかで、中国はいかに生き残ろうとしているのか」を分析した一冊です。
本書は、米中対立を「単なる国家間の競争」ではなく、「ディープステートという国際利権ネットワーク」との戦いと位置づけます。世界金融秩序、情報戦、テクノロジー覇権など多角的な視点で、中国の戦略を描き出し、日本への影響についても警鐘を鳴らしています。
主要論点(専門的に深掘り)
- 米中対立の本質
米国の表の政府(ホワイトハウス・議会)と裏の権力(ディープステート)を分け、後者が中国の台頭を抑え込もうとしていると説明。貿易摩擦や技術規制はその表れとされます。 - 中国の戦略
中国は「一帯一路」や人民元の国際化、ハイテク分野での独自路線を強化することで、ディープステートが握るドル体制や金融支配から脱却を狙っていると解説。軍事力よりも経済・通貨・技術での対抗を重視しています。 - 国際金融とドル体制
ドル基軸通貨体制をディープステートの支配装置と位置づけ、中国がデジタル人民元や多国間貿易協定を通じてその牙城を崩そうとしていると論じます。 - 日本への警告
米中の間に位置する日本は、アメリカ依存を続ければ「ディープステートの道具」となり、中国との関係を柔軟に持てば「米国からの圧力」を受けるという二重の危機にあると警告。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「米中関係をディープステートの視点から解釈するのが新鮮」「世界情勢を大きな枠で理解できる」といった声が目立ちます。特に金融秩序と通貨戦略の章に説得力を感じる読者が多いです。 - 批判的な評価
「ディープステートという概念を過度に拡大しすぎ」「中国に対する評価が一面的」との指摘もあります。とくに中国の戦略をやや肯定的に描きすぎているとの批判が散見されます。 - 中間的な評価
「陰謀論的に見える部分はあるが、米中関係を考える補助線になる」「具体的な政策提言には欠けるが、読み物としては刺激的」というバランスの取れた受け止め方もあります。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
世界情勢を国家対立ではなく「国際利権ネットワークとの戦い」として解釈する枠組みが評価され、特に金融・通貨面での分析は実務家にも示唆的とされています。 - 批判派の核心
中国を“正義の戦士”のように描く部分があり、現実の中国の権威主義や人権問題を軽視しているとの批判が中心。ディープステート論の射程が広すぎるため、科学的検証が難しいという弱点も指摘されています。 - 中間派の読み方
問題提起の書として「米中対立を表層だけで見ない」視点を得られるが、事実性については読者自身の検証が必要だという立場です。
『ディープ・ステイトとの血みどろの戦いを勝ち抜く中国』は、米中対立を「ディープステート対中国」という構図で読み解く試みです。大胆な仮説ゆえに賛否は分かれますが、通貨・金融・テクノロジーといった切り口を交えた議論は、国際関係を別角度から見るうえで有用です。特に「日本がどう生き残るべきか」という問題提起は、国際政治を考える読者にとって重要な視点を提供します。
戦後80年の呪縛 日本を支配してきたアメリカの悪の正体
- 著者:髙山 正之, ジェイソン・モーガン
- 発売年月:2025年4月

概略(どんな本か)
保守系ジャーナリストの髙山正之氏と、歴史研究者ジェイソン・モーガン氏が共著でまとめた「戦後日本とアメリカの関係」を批判的に読み解く書籍です。タイトルが示す通り、日本は敗戦後から現在に至るまで「アメリカの影」に支配され続けてきたとする視点から、占領政策、地位協定、経済政策、教育制度、メディア報道に至るまでを検証しています。
両著者は、アメリカのディープステート的権力が日本を「従属国」として維持する仕組みを作り、戦後80年を経ても呪縛が解かれていないと主張します。
主要論点(専門的に深掘り)
- 占領政策の延長としての戦後日本
戦後民主主義や教育改革は、日本を弱体化させるための制度的操作であり、今もその影響が残っていると解説。地位協定や米軍駐留が「独立の不完全さ」を象徴すると論じています。 - 経済政策とグローバリズム
日本経済の高度成長は「アメリカが必要としたから」可能になったとし、その後のバブル崩壊や金融自由化も米国主導の流れであったと解釈。日本の通貨・金融政策がアメリカの都合に左右されてきた点を強調しています。 - 情報とメディア支配
戦後のメディアや文化政策が「アメリカ的価値観の押し付け」であり、日本人の歴史観や国家観を操作してきたと分析。特に戦争観・憲法観の形成に深く影響していると述べています。 - これからの日本の課題
日本が真に独立するには、地位協定の改定、憲法の見直し、外交の自立が必要と提言。さらに経済・金融・エネルギー面でも「脱アメリカ依存」を進めるべきだとしています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「戦後日本の構造的問題を鋭く指摘している」「日米関係を冷静に再評価するための参考になる」という声が多く、保守層や現状に不満を抱く読者から高評価を得ています。 - 批判的な評価
「アメリカを一方的に“悪”と断じる論調に偏りがある」「陰謀論的で、実証性に欠ける」との指摘も少なくありません。学術的な研究書というよりは評論色が強いと評されています。 - 中間的な評価
「事実関係は別途検証が必要だが、戦後日本の課題を考える視点としては有益」「論調は極端だが、問題提起の書として読む価値はある」とする意見もあります。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
アメリカ依存を前提にした日本の安全保障・経済構造を「呪縛」として明快に表現した点が共感を集めています。特に教育やメディアを通じた価値観の植え付けを批判する部分に強い支持があります。 - 批判派の核心
「アメリカを全て“悪”と断定」する二元論的構造が最大の弱点。戦後日本の発展や米国からの恩恵を無視しているという批判も目立ちます。 - 中間派の読み方
実証性は弱いが、戦後日本を見直す「思考実験」として読むと意義があるとされています。歴史観の異なる著者二人の視点が交差する点は、読者に多様な視野を与える要素ともなっています。
『戦後80年の呪縛 日本を支配してきたアメリカの悪の正体』は、日米関係を徹底的に批判的に描くことで「日本の真の独立」というテーマを突きつける挑発的な一冊です。研究書としての精緻さよりも、問題提起と警鐘を目的とした評論的性格が強く、賛否は分かれやすい内容です。
しかし、戦後体制を「アメリカ依存の呪縛」と捉える視点は、現代の安全保障や経済戦略を考える読者にとって大きな刺激となり、議論を深めるきっかけになるでしょう。
[新版]ディープ・ステイトの真実 日本人が絶対知らない! アメリカ〝闇の支配層〟
- 著者:西森 マリー
- 発売年月:2021年7月

概略(どんな本か)
国際ジャーナリストの西森マリー氏が、アメリカ政治の背後に潜む「ディープステート(闇の支配層)」をテーマにまとめた書籍の新版です。
著者はワシントン取材の経験を活かし、米国の軍産複合体、情報機関、国際金融勢力がどのように政策を動かしてきたかを解説。特に、メディアと司法を介して国民の意思を操作する構造を「日本人が絶対に知らない真実」として強調しています。
新版ではトランプ政権以降の動向を加筆し、米国の分断や日本への影響を整理しています。
主要論点(専門的に深掘り)
- アメリカの権力構造の二重性
大統領や議会といった“表の政府”と、軍事・情報・金融のネットワークによる“裏の政府”の二重構造が存在すると定義。表の政治家は表舞台で動いているが、実際の決定権はディープステートに握られていると描きます。 - メディア操作と世論誘導
大手メディアがディープステートと結びつき、特定の政治家や政策に有利な報道を行う仕組みを紹介。SNS時代でも検閲やアカウント停止が「新しい情報統制」として機能していると論じます。 - トランプ現象の意味
トランプは反ディープステートの象徴として登場したが、同時にその存在が徹底的に攻撃されることで、裏権力の実在を浮き彫りにしたと解釈。2020年大統領選の混乱もその一端とされています。 - 日本への影響
日本の外交・防衛・金融政策がアメリカの影響下にある以上、ディープステートの力学から無縁ではいられないと警告。特に基地問題や経済政策にその影響が色濃く出ていると指摘しています。
主な口コミ・評判(傾向の整理)
- 肯定的な評価
「メディアで語られない裏側を知ることができる」「国際政治を理解する視点が広がった」と好評。ディープステートという言葉を初めて知った読者からの評価も高めです。 - 批判的な評価
「証拠が断片的で、論理が飛躍している」「陰謀論的で実証性が弱い」との意見も少なくありません。特に、事件や政策のすべてをディープステートに結びつける点に違和感を覚える読者がいます。 - 中間的な評価
「誇張はあるが、アメリカ政治を別の角度から理解する材料になる」「読み物としては刺激的だが、研究書としては限界がある」といった慎重な意見もあります。
評判の深掘り
- 肯定派の核心
主流メディアが報じない権力構造をわかりやすく描いた点に価値があるとされ、「陰で何が起きているのか」を考えるきっかけを与えたことが強く支持されています。 - 批判派の核心
概念が広すぎるため、複雑な国際情勢を単純化してしまうという指摘が中心。学術的検証の不十分さ、一次資料の不足も問題点として挙げられます。 - 中間派の読み方
「陰謀論」として切り捨てるのではなく、仮説的に読むことで、メディアや政治を批判的に見る訓練になるという実践的な利用法が提案されています。
『[新版]ディープ・ステイトの真実』は、アメリカ政治の裏側を大胆に描き、ディープステートという視点を一般読者に広めた一冊です。厳密な研究書というよりは、問題提起や啓蒙を目的とした評論的な内容ですが、国際政治やメディアの報道姿勢に疑問を持つ読者にとって、強い刺激を与える本といえます。
賛否は大きく分かれるものの、「権力の裏側を見る眼」を養うきっかけとして一定の意義を持つ一冊です。
ディープステート関連書籍まとめ比較表
以下は、これまで紹介した9冊のディープステート関連書籍の比較表です。
番号 | 書名 | 著者 | 発売年月 | 主な特徴・焦点 |
---|---|---|---|---|
1 | 日本独立! ~アメリカ・ディープステート占領支配から脱するために | 原口 一博 | 2024/12 | 日米地位協定・通貨・エネルギー・放射線問題を縦断的に分析し、日本独立を訴える。 |
2 | ついに始まった ディープステートの崩壊と日本の危機 | スティーブ | 2025/7 | 官僚・グローバリスト・リベラルを敵と位置づけ、日本の危機を警告。 |
3 | トランプVSディープステート 最後の死闘 | 馬渕 睦夫 | 2025/6 | トランプと米国ディープステートの対立を最終決戦として描く。 |
4 | ディープステートに寝返ったトランプ! | ジェイソン・モーガン | 2025/8 | トランプが体制側に取り込まれたと批判する異色の視点。 |
5 | 本丸はJAPANだった! ディープステート壊滅最前線 | 上部 一馬 | 2025/9 | 日本を“最終決戦の舞台”とする大胆な仮説。 |
6 | 誰も書けなかったディープ・ステートのシン・真実 | 宮崎 正弘 | 2023/2 | 米国・金融・メディア・ウクライナ戦争を含め広範囲に分析。 |
7 | ディープ・ステイトとの血みどろの戦いを勝ち抜く中国 | 副島 隆彦 | 2021/12 | 米中対立を「ディープステート対中国」として解釈。 |
8 | 戦後80年の呪縛 日本を支配してきたアメリカの悪の正体 | 髙山正之, ジェイソン・モーガン | 2025/4 | 戦後日本を“アメリカ支配”の延長として批判的に再構築。 |
9 | [新版]ディープ・ステイトの真実 | 西森 マリー | 2021/7 | ディープステート概念を一般読者に広めた入門的な一冊。 |
まとめ(総合的な視点)
今回紹介した9冊は、それぞれが異なる切り口で「ディープステートの危険性」を主張しています。
- 最新の日本独立論(1, 8)
日米関係や戦後体制を「従属」と捉え、日本の独立を訴える系譜。国際政治を日本主体で見直したい読者に向いています。 - アメリカ政治とトランプ(3, 4)
トランプを「抵抗者」と見るか「取り込まれた存在」と見るかで評価が分かれます。アメリカの分裂と世界秩序への影響に注目する人に適しています。 - 日本を最前線とする仮説(2, 5)
「本丸は日本」という強調は誇張的ですが、国益や国家主権の視点を強めるきっかけになります。愛国的問題意識を高めたい層に響きます。 - 国際的広がり(6, 7, 9)
国際金融、メディア、ウクライナ戦争、米中対立などを取り込み、グローバルな枠組みでディープステートを語るタイプ。世界情勢を大きく俯瞰したい人に適しています。
総じて、学術的な厳密性やエビデンスの強度には差がありますが、いずれも「支配構造を疑う視点」「主流メディアに依らない解釈」を提示しています。
批判的検証を前提に読むことで、国際政治や日本の進路を考えるうえで大きな刺激を与える書群だといえるでしょう。