コロナワクチン懐疑派の代表的書籍7選|評判と口コミ

書籍

新型コロナウイルスのパンデミック以降、ワクチンをめぐっては賛否が大きく分かれ、数多くの書籍が出版されました。その中でも「懐疑派」の立場から、科学的・社会的・歴史的な観点でワクチンのリスクや問題点を指摘する本は少なくありません。本記事では、免疫学者や医師、ジャーナリスト、歴史研究者らが執筆した7冊を紹介します。批判的な論点や報道されなかった事実を知ることは、ワクチンをめぐる議論を多角的に理解する上で役立ちます。ただし、いずれの書籍も独自の主張を含むため、最新の公的データや専門的知見と照らし合わせながら読むことが重要です。

今だから分かる、コロナワクチンの真実:世界の実態と日本の現実

  • 著者:村上 康文、山路 徹
  • 発売日:2024/5/13
今だから分かる、コロナワクチンの真実:世界の実態と日本の現実
X(ツイッター)累計閲覧数470万の動画シリーズ「免疫学者の警鐘」を書籍化 ●目次● はじめに  免疫学者の警鐘 PART1 新型コロナワクチン 欧米の接種状況と日本の今  免疫学者の警鐘 PART2 新型コロナワクチンのメカニズムとは  ...

概要

免疫学者とジャーナリストによる対談形式を中心に、mRNAワクチンの仕組み、繰り返し接種がもたらす可能性のある影響、XBB対応ワクチンの議論、製造ロット差と有害事象の問題、DNA混入疑惑、さらには次世代の「レプリコン(自己増殖型)」ワクチンに関するリスクなどを包括的に解説しています。発端となったのはX(旧Twitter)で話題を呼んだ「免疫学者の警鐘」という動画シリーズで、それを大幅に加筆し書籍化したものです。日本が世界の中で「接種大国」としてどのような立ち位置にあるのかを検証する点が大きな特徴です。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「複雑な海外データや議論をまとめてわかりやすく解説している」「今後のワクチン技術まで踏み込んでおり、将来を考える上で参考になる」と評価する読者が目立ちます。
  • 批判的な意見
    「論調が断定的すぎる」「引用元や反対意見の扱いが十分ではない」といった指摘も多く、科学的なバランスに欠けるという批判が見られます。
  • 中間的な意見
    「ワクチン政策を疑問視する視点を得るには有用だが、公的機関や査読論文のデータとあわせて読むべき」「問題提起としては興味深いが、これだけで判断するのは危険」という慎重な読み方を推奨する声もあります。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • mRNAワクチンの免疫応答変化
    IgG4の増加や免疫の長期的変化について警鐘を鳴らしています。最新研究が進行中のテーマであり、断定するには早いという見方もあります。
  • 製造ロット差と有害事象
    ロットごとに副反応が集中しているのではないかとする指摘を紹介しています。ただし、薬事行政の立場からは報告システムの偏りを踏まえて慎重に解釈すべき領域です。
  • DNA混入問題
    ワクチンの品質管理に関する懸念を提示していますが、国際的な規制当局は基準値内と説明しており、読み手は双方の見解を比較することが求められます。
  • 次世代ワクチン(レプリコン)
    技術的リスクの観点から「新たな不安要素」として取り上げており、将来の議論を先取りする内容として注目されます。

総評

本書はコロナワクチンに批判的な視座から多様な論点をまとめた「問題提起型」の一冊です。肯定派にとっても懐疑派にとっても、主張とエビデンスの距離を測るトレーニング教材になり得ます。ただし、内容をそのまま事実として受け止めるのではなく、公的機関や最新研究の情報を並行して確認することが前提となります。

ワクチンや感染症に関する判断は個人の健康に直結するため、実際の接種可否や副反応対応については必ず主治医や公的機関の情報に基づくことが推奨されます。

医師が教える新型コロナワクチンの正体 本当は怖くない新型コロナウイルスと本当に怖い新型コロナワクチン

  • 著者:内海 聡
  • 発売日:2021/6/10
医師が教える新型コロナワクチンの正体 本当は怖くない新型コロナウイルスと本当に怖い新型コロナワクチン
フェイスブックフォロワー15万人以上。医原病や薬害について啓蒙し続けている、日本一有名な医者による新型コロナウイルスと新型コロナワクチンの詳細な解説書。まえがきより本書は「新型コロナウイルスが恐くない理由」「PCR検査が信用できない理由」「...

概要

本書は精神科医であり、医療批判の著作を多く手がけてきた内海聡氏による、コロナワクチン批判の代表的な一冊です。タイトルの通り「コロナウイルス自体は恐れる必要がないが、ワクチンの方こそリスクが大きい」との立場から執筆されています。ワクチンの成分や免疫への影響、政府や製薬企業の姿勢への批判を展開し、パンデミック対策そのものへの疑念も投げかけています。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「メディアが報じない視点を知ることができる」「コロナに対する一方的な報道に疑問を持っていたが、本書で裏付けが取れた」といった読者の声があります。ワクチンへの強い懐疑心を持つ層からは特に支持されています。
  • 批判的な意見
    「科学的根拠が乏しい」「データの引用が偏っている」「著者の他の主張同様、陰謀論に近い」との評価も少なくありません。医療従事者や科学的検証を重視する読者からは厳しい批判が目立ちます。
  • 中間的な意見
    「一つの視点として読むには面白いが、内容をそのまま信じるのは危険」「公的データや専門家の見解と突き合わせながら読むべき」といった慎重な受け止め方も見られます。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • ワクチンよりウイルスの方が“怖くない”という逆転の主張
    コロナそのもののリスクを軽視しすぎているとの批判がある一方、「過剰な恐怖を煽らない視点が有益」と評価する読者も存在します。
  • 製薬業界・政府への不信感
    本書の大きな軸は「ワクチン推進の裏には利権がある」という論点です。ここは政治的・社会的背景を読み解く材料としては刺激的ですが、エビデンスの裏付けには注意が必要です。
  • 免疫学的な説明
    免疫の仕組みや副反応の可能性について書かれていますが、専門的な読者からは「解説が不正確」「誤解を招きやすい」と指摘される部分もあります。

総評

本書は、コロナ禍初期に「ワクチンよりもウイルスそのものの方が恐れるに足らない」と主張した挑発的な内容で、多くの議論を呼びました。賛同する読者には「覚醒の書」として受け止められ、一方で批判的な読者からは「科学的信頼性に欠ける」と強く疑問視されています。

読む際には、批判的に距離を置きつつ、公的な統計や最新の研究と照らし合わせる姿勢が重要です。特にワクチン接種という重大な健康判断については、本書だけに依拠せず、必ず医療機関や公的情報に基づくことが推奨されます。

コロナワクチン その不都合な真実

  • 著者:アレクサンドラ・アンリオン=コード(分子生物学者)、鳥取 絹子(翻訳)
  • 発売日:2023/12/19
コロナワクチン その不都合な真実 (詩想社新書 39)
フランスでたちまち16万部のベストセラー!待望の日本語翻訳版、緊急出版!「私たちは、まだ製造途中の飛行機を操縦していた・・・」これは、ファイザー社のワクチン研究開発部門の責任者だったキャサリン・ヤンセンが、職を辞した直後、2022年11月の...

概要

フランスの分子生物学者であり、パンデミック以降ワクチン批判を続けてきたアレクサンドラ・アンリオン=コードによる著作です。欧州を中心としたワクチン政策、mRNAワクチンの安全性と有効性に関する議論、臨床試験のあり方、規制当局の対応などを国際的な視点から批判的に検証しています。翻訳版は日本でも話題となり、科学者の視点から「不都合な事実を明らかにする」として懐疑派の読者に強い関心を持たれました。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「日本では得られにくい海外研究や議論が紹介されており、国際比較の視点が新鮮」「専門家による体系的な批判は説得力がある」と評価されています。ワクチンに対して不安を抱く読者にとっては裏付け資料として歓迎されています。
  • 批判的な意見
    「データの選び方が偏っており、否定的な結果だけを強調している」「科学的コンセンサスから外れた主張が多く、陰謀論的に響く」との指摘も少なくありません。特に医療従事者や科学リテラシーの高い読者からは警戒される傾向があります。
  • 中間的な意見
    「ワクチンのリスクを考える材料にはなるが、接種政策全体を否定する根拠にはならない」「疑問点を掘り下げる入り口として読むべき」といった、慎重な姿勢で評価する声もあります。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • 臨床試験データと規制当局の姿勢
    著者は、製薬会社が不利益なデータを隠している可能性や、規制当局の監視体制の甘さを問題視しています。これは国際的に議論されるテーマですが、全体像よりも疑念を前面に押し出すため「バランスに欠ける」との批判を受けやすい部分です。
  • mRNA技術そのものへの懸念
    長期的影響やゲノムへの組み込み可能性など、未解明のリスクを強調しています。懐疑派からは「重要な警告」と捉えられる一方、科学的には未証明な点が多いため「危険を誇張している」とも評されます。
  • 国際比較の強み
    欧州諸国でのワクチン接種状況や副反応報告を参照しており、日本ではあまり紹介されない視点を提示している点は、多くの読者から「学びがある」と受け止められています。

総評

『コロナワクチン その不都合な真実』は、ワクチンに対して批判的な論点を国際的に整理した書籍であり、特に海外事例を知りたい読者にとっては有益な資料となります。ただし、記述の多くが「懐疑的仮説」に基づいており、公的機関や査読研究の最新データと突き合わせて読むことが不可欠です。

ワクチン政策や医療判断を考えるうえで「異なる声」を知る意味はありますが、健康に直結する判断は、必ず信頼できる医療機関や公的情報をもとに行う必要があります。

新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録

  • 著者:大石 邦彦
  • 発売日:2023/2/21
新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録
「出どころのはっきりしているデータと、私の取材を交えて真摯にお伝えする大石解説です」 で始まる、名古屋CBCの「チャント!」内の大石解説コーナーは、「新型コロナに対するワクチン接種を起因とした死亡事例、重篤な後遺症事例」から唯一逃げずに向き...

概要

本書は、長年テレビ報道の現場に携わってきたジャーナリスト・大石邦彦氏が、新型コロナワクチンをめぐる取材の記録をまとめたものです。タイトルが示す通り「光」と「影」の双方に焦点を当て、ワクチン普及の効果や社会的役割を取り上げる一方、副反応報告や報道で触れられにくい不都合な事実を記録しています。特に日本のメディアが十分に追及してこなかったテーマを丹念に掘り起こしている点が特徴です。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「テレビでは報じられない裏側を丁寧に取材していて貴重」「現場取材の一次情報が中心で、実際に関係者の声が記録されているのが信頼できる」と評価されています。ジャーナリストの実地取材に基づく内容として好意的に受け止める読者が多いです。
  • 批判的な意見
    「問題点ばかり強調しており、全体像のバランスが悪い」「科学的な裏付けや統計的データよりも取材証言に依存しているため、学術的な重みには欠ける」といった指摘もあります。
  • 中間的な意見
    「肯定も否定もせず“記録”として読める」「情報源としては価値があるが、これだけで判断するのは危険」といった慎重な受け止め方も目立ちます。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • 「光」と「影」の対比
    ワクチンの感染抑制・重症化予防の効果と並行して、実際に報告された副反応や被害申告の声を紹介しています。賛否両論を並列させる構成ですが、読者の印象としては「影」が強く残るという声もあります。
  • 報道姿勢への批判
    著者自身がメディアに属していた立場から、報道が政府方針に追随し、リスク報道が十分でなかった現実を指摘しています。読者からは「報道の裏事情がわかる」と共感される一方、「ジャーナリズムの自己弁護に見える」とする見方もあります。
  • 一次情報の強みと弱み
    被害者や関係者の声を直接収録している点は臨場感があり、他の書籍にない独自性があります。ただし統計的分析や国際比較には乏しく、あくまで「証言集・取材記録」として読むべき性格が強いといえます。

総評

『新型コロナワクチンの光と影』は、報道現場にいた著者が「誰も報じなかった事実」を丹念に拾い集めた記録集です。ワクチンの功罪を並べた形を取っていますが、副反応やリスクに強い光を当てているため、懐疑的な読者に響きやすい内容となっています。

一方で、科学的な研究や統計的分析の裏付けは限定的なため、公的データや医学研究とあわせて読むことが前提です。ジャーナリズムの現場で得られた証言や空気感を知るという点で価値がある一冊といえるでしょう。

新型コロナは人工物か? パンデミックとワクチンをウイルス学者が検証する

  • 著者:宮沢 孝幸
  • 発売日:2024/7/24
新型コロナは人工物か? パンデミックとワクチンをウイルス学者が検証する (PHP新書)
新型コロナウイルス・オミクロン変異体の塩基配列(RNAを構成する、四つの塩基の並び方)の変異を見て、ウイルス学者である著者は凍りついた。「同義置換が1、非同義置換が30、こんなことはありえない」。同義置換とは、アミノ酸の変異が起こらない塩基...

概要

京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授による、コロナウイルスの起源とワクチンをめぐる科学的検証をまとめた著作です。タイトルが示す通り「新型コロナは人工物なのか」という根本的な疑問を軸に、ウイルス学の視点から自然起源説と人工起源説を比較し、実験データや遺伝子解析を解説しています。また、パンデミック下での社会的混乱や政策決定の背景、mRNAワクチンの仕組みと課題についても整理し、科学的知見を一般読者にわかりやすく伝えることを意図しています。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「ウイルス学の専門家がわかりやすく解説しており、陰謀論的な書籍とは一線を画している」「人工物かどうかという議論を、科学的視点で冷静に検証している点に安心感がある」と評価されています。
  • 批判的な意見
    「一般向けに噛み砕いているため学術的な深掘りが物足りない」「人工説を取り上げることで、科学的に確立していない議論に余計な信憑性を与えてしまう」といった声も見られます。
  • 中間的な意見
    「人工物か自然物かの結論は明確には出ていないが、論点を整理する材料として有用」「パンデミック初期からの科学的・社会的混乱を振り返る一冊として読む価値がある」という意見が多く見られます。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • 人工起源説 vs 自然起源説
    本書は断定を避けつつ、両方の立場から遺伝子解析の知見を比較しています。自然界で説明可能な部分と、人工操作を疑わせる配列の議論を並べることで「読み手が考える余地」を残しています。
  • パンデミック対応の検証
    日本を含む各国が行った施策や情報発信を振り返り、「科学と政治のギャップ」が感染拡大や社会不安を深めたと分析しています。
  • ワクチンの仕組みと課題
    mRNAワクチンの特徴を一般向けに説明しつつ、長期的な安全性や免疫応答の変化といった未解決の課題に言及。過剰に恐怖を煽るのではなく、科学的な「不確実性」を強調しています。

総評

『新型コロナは人工物か?』は、人工説と自然説をバランスよく比較しながら、読者に科学的視点を持って考えることを促す一冊です。結論を急がず、科学的根拠と社会的背景を整理しているため、懐疑派・肯定派のどちらにとっても参考になります。

ただし、扱うテーマ自体が未解明の部分を多く含むため、本書だけで断定的な判断を下すのではなく、最新の研究成果や公的機関の発表とあわせて読み進める姿勢が求められます。

知らないほうが……幸せかもしれない コロナワクチンの恐ろしさ

  • 著者:高橋 徳、中村 篤史、船瀬 俊介
  • 発売日:2021/7/26
知らないほうが……幸せかもしれない コロナワクチンの恐ろしさ
●「危険なのは接種直後の副反応だけではありません。阿鼻叫喚が始まるのは2年後〜5年後なのです! 」――危険性を叫ぶ2人の「良心の医師」と「告発の鬼」船瀬俊介氏がワクチン注入に狂奔する日本の現状に心底から憂慮、コロナワクチンの安全性への重大疑...

概要

本書は、医師や評論家として活動する三名の共著で、タイトル通り「コロナワクチンの恐ろしさ」に焦点を当てた一冊です。新型コロナウイルスそのものよりも、ワクチンの副作用や長期的リスクの方が大きいのではないか、という強い問題提起を行っています。免疫学的な懸念、遺伝子改変の可能性、社会的な同調圧力、製薬業界や政府の利権構造などを幅広く批判的に取り上げています。出版時期が2021年夏という、ワクチン接種が社会的に急速に進んでいた時期であったため、大きな話題を呼びました。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「マスメディアが語らないリスクを知ることができた」「家族に接種を勧める前に考える材料になった」といった声が目立ちます。特にワクチンに強い懐疑を抱いていた読者から支持されました。
  • 批判的な意見
    「根拠が弱く、科学的な裏付けに乏しい」「過剰に恐怖を煽る内容で、陰謀論的」との厳しい指摘が多く、専門家や医療関係者からは否定的に受け止められています。
  • 中間的な意見
    「一つの視点として読む価値はあるが、この本だけで判断するのは危険」「不安を喚起する一方、検証可能なデータは限定的」といった冷静な評価もあります。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • 副反応と長期的リスクの強調
    ワクチン接種後の副反応事例を多く取り上げ、将来にわたる健康被害の可能性を強調しています。ただし、その多くは仮説や症例報告の域を出ておらず、科学的な裏付けには限界があります。
  • 免疫学的懸念と遺伝子操作の恐怖
    mRNAワクチンが遺伝子に影響する可能性を警告していますが、科学的コンセンサスとは乖離している部分があり、研究者の間では「過度な表現」とされています。
  • 社会・政治的批判
    製薬企業の利益構造や政府の接種推進政策に強い不信を表明し、読者の共感を呼ぶ一方、「エビデンスより感情的」と評価されることもあります。

総評

『知らないほうが……幸せかもしれない コロナワクチンの恐ろしさ』は、接種が社会的に急拡大する中で「異論」を提示した問題提起型の書籍です。ワクチン懐疑派の読者には支持される一方、科学的な厳密性には大きな疑問が残る内容です。

読み解く際には、批判的検証の姿勢を保ちながら、公的な情報や最新の医学研究と照らし合わせることが不可欠です。本書をきっかけにワクチンをめぐる多様な視点に触れることはできますが、健康判断の根拠にするには注意が必要です。

ワクチン神話捏造の歴史

  • 著者:ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ
  • 翻訳:神 瞳
  • 監修:坪内 俊憲
  • 発売日:2023/5/23
ワクチン神話捏造の歴史
医療及び行政従事者必見! 医療と政治の権威が創った幻想の崩壊 「ワクチンのメリットとデメリットを天秤にかけて打て」という医師に説得される前に必読!メリットは一切証明されていない――ワクチンに関する真の歴史がここにある!有効性の証明は一つとし...

概要

原題 Dissolving Illusions の日本語版にあたる本書は、ワクチンの歴史的評価を根底から問い直す内容です。著者のロマン・ビストリアニク(歴史研究者)とスザンヌ・ハンフリーズ(腎臓内科医)は、過去における感染症の減少が必ずしもワクチンによるものではなく、衛生環境や栄養改善など社会的要因が大きかったと主張します。天然痘やポリオなど、教科書で「ワクチンの成功例」とされる事例をデータや当時の公文書をもとに再検証し、「ワクチン神話」がどのように形成され、広まったのかを解き明かそうとしています。


主な口コミ・評判

  • 肯定的な意見
    「歴史的資料をふんだんに紹介しており、ワクチンをめぐる通説を疑うきっかけになる」「公衆衛生の観点からワクチンを捉え直す視点は新鮮」といった評価があります。特にワクチンに疑問を持つ層からは支持が強いです。
  • 批判的な意見
    「データの解釈が一面的で、現代の疫学的知見を無視している」「科学界で広く支持されていない説を事実のように扱っている」といった批判が見られます。医療従事者や研究者からは「恣意的」との声も少なくありません。
  • 中間的な意見
    「ワクチン神話を懐疑的に見る視点は重要だが、あくまで議論の材料として読むべき」「歴史的検証としては価値があるが、現代の予防接種政策の是非を直接判断する根拠にはならない」という冷静な受け止め方もあります。

評判の深掘り(論点ごとの特徴)

  • 天然痘とポリオの再評価
    歴史的に「ワクチン成功例」とされる2大テーマを中心に、感染症減少が衛生・栄養改善と相関していると主張。データを並べて説得を試みていますが、疫学的因果関係の解釈は専門家から強く疑問視されています。
  • 「神話」としてのワクチン像
    ワクチンは万能薬ではなく、社会的・政治的文脈の中で神話化されてきたという視点は、読者にとって新鮮であり、批判的思考を促します。
  • 歴史資料の豊富さ
    グラフや記録の引用が多く、一次資料を重視している点は学術的興味を引きます。ただし、その資料の扱い方や因果関係の結論付けは「恣意的」と評されることもあります。

総評

『ワクチン神話捏造の歴史』は、ワクチンの歴史を「再検証」しようとする挑戦的な一冊です。通説を疑う視点を与えてくれる反面、解釈には偏りがあるため、他の公衆衛生学的研究や公的資料とあわせて読む必要があります。

ワクチン懐疑派・肯定派を問わず、歴史の解釈がいかに現在の医療観に影響を与えているかを考える上で有用ですが、現代の接種可否判断に直結させるのではなく、批判的読書の対象とするのが適切といえるでしょう。

コロナワクチン懐疑派の書籍一覧まとめ

書籍リスト表

番号書籍タイトル著者発売日特徴
1今だから分かる、コロナワクチンの真実村上 康文、山路 徹2024/5/13免疫学者とジャーナリストが対談形式で、mRNAワクチンや次世代技術のリスクを検証
2医師が教える新型コロナワクチンの正体内海 聡2021/6/10「ウイルスよりワクチンの方が怖い」と主張、政府・製薬業界批判が中心
3コロナワクチン その不都合な真実アレクサンドラ・アンリオン=コード、鳥取 絹子(翻訳)2023/12/19欧州の事例を交え、臨床試験や規制の不備を批判的に検証
4新型コロナワクチンの光と影大石 邦彦2023/2/21報道記者による取材記録。副反応の声と政策の裏側を記録したジャーナリズム作品
5新型コロナは人工物か?宮沢 孝幸2024/7/24ウイルス起源説(自然/人工)を科学的に検討し、ワクチンの課題も整理
6知らないほうが……幸せかもしれない コロナワクチンの恐ろしさ高橋 徳、中村 篤史、船瀬 俊介2021/7/26ワクチンの副作用・遺伝子リスクを強調。利権構造への批判も多い
7ワクチン神話捏造の歴史ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ、神 瞳(翻訳)、坪内 俊憲(監修)2023/5/23ワクチン史を再検証し、感染症減少は衛生や栄養改善の成果と主張

まとめ

これらの書籍は、いずれも コロナワクチンやワクチン政策に懐疑的な立場から執筆されていますが、アプローチは多様です。

  • 科学的検証型(例:1、3、5)
    → mRNAワクチンの免疫学的影響や、人工起源説、臨床試験の不備を強調。専門家による分析がベースだが、解釈に偏りがあるとの批判も多い。
  • ジャーナリズム・取材型(例:4)
    → 報道現場で拾った声や一次情報を収録。臨場感はあるが、統計的裏付けには乏しい。
  • 警鐘・告発型(例:2、6)
    → 「ワクチンの方が怖い」という断定的論調。支持層からは共感を得るが、科学的根拠の不足を指摘されやすい。
  • 歴史的再検証型(例:7)
    → ワクチンの功績を「神話」と位置づけ、衛生や社会要因を強調。過去の資料を引用するが、解釈に恣意性があると批判される。

総合すると、これらの本は「懐疑派」の思考や議論を理解するためには有益ですが、そのまま医療判断の根拠にするのは危険です。公的機関や最新の医学研究と並行して読むことで、批判的思考を養い、情報の多角的理解につなげることが推奨されます。