アカデミー賞(通称オスカー)は、米国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催する世界最高峰の映画賞。「映画のその年の到達点」を可視化する指標であり、受賞は興行・配信・後年評価にも大きな波及効果をもたらします。ここでは本特集の導入として、2026年回(対象:主に2025年公開作)を初心者にもわかりやすく、かつ最新の潮流に沿って解説します。📈
オスカーは各部門の専門家投票+最終投票(全会員)で決まります。作品賞は「順位付き投票(プリファレンシャル)」を採用しており、満場一致の熱狂より“幅広い支持のバランス”が強いのが特徴。極端に尖った傑作は技術・監督賞で存在感を示しつつ、作品賞はテーマ性・完成度・普遍性・話題性が高水準で揃う作品が有利になりやすいのです。
作品/監督/脚本(原案・脚色)/主演・助演。ここが“物語と表現の核”。
撮影・編集・音響・美術・衣装・メイク…“映画の体感”を作る要素です。
秋以降の前哨戦(批評家協会やギルド賞)が“風向き”を教えてくれます。
「作品賞だけ見ればいい」はNG。技術・演技の積み上げこそ、最終結果の土台になります。🧱
- ノミネート発表はいつ?どこで? 🗓️🎤
- 『ハムネット』
- 『ワン・バトル・アフター・アナザー』
- 『罪人たち』
- 『センチメンタル・バリュー』
- 『ウィキッド 永遠の約束』
- 『ハウス・オブ・ダイナマイト』
- 『It Was Just an Accident』(仮称:それはただの事故だった)
- 『Bugonia』(仮称:ブゴニア)
- 『マーティ・シュプリーム』
- 『ジェイ・ケリー』
- 『The Secret Agent』(仮称:ザ・シークレット・エージェント)
- 『端くれ賭博人のバラード』
- 『ウォーフェア 戦場最前線』
- 『レンタル・ファミリー』
- 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
- 『フランケンシュタイン』
- 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
- 『アフター・ザ・ハント』
- 『The Smashing Machine』(仮称:スマッシング・マシーン)
- 『The Testament of Ann Lee』(仮称:アン・リーの遺言)
- 『If I Had Legs I’d Kick You』(仮称:足があれば、あなたを蹴っていた)
- 『Die My Love』(仮称:ダイ・マイ・ラブ)
- 『F1®/エフワン』
- 『ヘッダ』
- 『Is This Thing On?』(仮称:このマイク、入ってる?)
- 『Vie Privée』(仮称:プライベート・ライフ)
- 『Blue Moon』(仮称:ブルー・ムーン)
- 『Song Sung Blue』(仮称:ソング・サング・ブルー)
- 『The Life of Chuck』(仮称:ライフ・オブ・チャック)
- 『ロスト・バス』
- 『トレイン・ドリームズ』
- 『Nouvelle Vague』(仮称:ヌーヴェル・ヴァーグ)
- 『Sirāt』(仮称:シラート)
- 『Sound of Falling』(仮称:サウンド・オブ・フォーリング)
- 📺どこで視聴できる?(公開スケジュールまとめ)🎥
ノミネート発表はいつ?どこで? 🗓️🎤
アカデミー賞の華やかな授賞式に先立って行われるのが、ノミネート発表です。 この瞬間こそが、各映画スタジオ・俳優・ファンが最も緊張する時間。 「誰が選ばれたのか?」が明らかになるだけで、ハリウッドの空気が一変します。 2026年の授賞回(対象作品:2025年公開)は、例年のスケジュールを踏まえると次のようになる見込みです。
※実際の発表日は毎年AMPASの公式発表により決定。時差の関係で日本では夜~早朝にかけて速報が入ることが多いです。
発表の舞台は、カリフォルニア州ロサンゼルスの映画芸術科学アカデミー本部または関連会場。 コロナ禍以降はハイブリッド形式が定着し、YouTubeや公式SNSで生配信されるのが一般的です。 司会はアカデミーの広報責任者や俳優が務め、ノミネートが読み上げられるたびに歓声が起こる瞬間が名物になっています。🎬
発表映像はのちにアーカイブ公開され、SNS上では「リアクション動画」や「予想外の結果」などが一斉に拡散されるのも恒例です。
① AMPAS会員の投票
約1万人の会員が、それぞれの専門部門ごとに候補を推薦。作品賞は全会員が投票可能です。
② 開票・集計
会計事務所(PwCなど)が厳重に管理。投票はオンライン化されており、結果は極秘扱い。
③ ノミネート発表
俳優や映画関係者が司会を務め、各カテゴリーの候補を発表。短時間で世界中に速報が流れます。
④ 受賞者投票
ノミネート発表後、全会員による最終投票が行われ、授賞式当日の封筒で結果が開封されます。
アカデミー賞ノミネートを占う重要なヒントが、前哨戦(プレカーサー)と呼ばれる映画賞です。 代表的なものに「全米映画俳優組合賞(SAG)」「全米監督協会賞(DGA)」「全米製作者組合賞(PGA)」「放送映画批評家協会賞(Critics Choice)」などがあり、ここでの結果がほぼそのままノミネートにつながることもあります。
つまり「ノミネート発表」は突然現れるものではなく、数ヶ月前からの“風向き”でおおよそ察知できるのです。🌬️
日本では、WOWOWなどがノミネート発表・授賞式を生中継・配信してきました。 SNSでは「#アカデミー賞ノミネート」などのタグでリアルタイム反応が流れ、 映画ファン同士が「どの作品が本命か」「主演賞は誰か」などを議論する姿が恒例になっています。📱
- 前哨戦の受賞傾向を見ながら「当確ライン」を予想する。
- 発表の生配信でリアルタイム反応をチェックする。
- ノミネート後は各映画を見直し、「なぜ評価されたか」を探るのが醍醐味。
ノミネート発表は“結果”であり“始まり”。ここから3月の授賞式まで、映画界はオスカー一色に染まります。🌟
次章では、いよいよ2026年アカデミー賞の主要部門で有力視される作品たちを具体的に紹介していきます。 どんなストーリーが心を動かし、どんな監督が時代を映したのか——その全貌をチェックしていきましょう。🎞️
『ハムネット』
映画『ハムネット(Hamnet)』は、シェイクスピアの息子ハムネットの死をきっかけに生まれた“喪失と再生”の物語。16世紀イングランドを舞台に、愛する者を失った家族の心の軌跡を静かに描く。監督は『ノマドランド』のクロエ・ジャオ。自然光を活かした映像とマックス・リヒターの音楽が織りなす世界は、詩のように美しく、言葉を超えた感情を呼び起こす。主演のジェシー・バックリーとポール・メスカルの繊細な演技が、沈黙の中の愛と芸術の力を深く伝える感動作。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、ポール・トーマス・アンダーソン監督が描くサスペンス・アクション大作。かつて革命運動に関わった男ボブ(レオナルド・ディカプリオ)が、娘を守るために再び戦いへ身を投じる姿を描く。派手なアクションの裏に「父と娘の絆」「過去と現在の衝突」といった深い人間ドラマが息づいており、映像美と音楽の融合も見どころ。社会の分断や理想の崩壊といった現代的テーマを、緊張感あふれる演出で体験的に描き出した、今年最も話題の映画のひとつ。
『罪人たち』
1930年代のミシシッピ州を舞台にした映画『罪人たち(Sinners)』は、音楽と恐怖が交錯する一夜を描いたライアン・クーグラー監督の最新作。双子の兄弟(マイケル・B・ジョーダン)が黒人コミュニティのために開いたダンスホールで、思いもよらぬ“何か”が訪れる――。ブルースのリズムに乗せて描かれるのは、差別と貧困の中でも音を鳴らし続ける人々の強さと祈り。ホラーでありながら魂の解放を感じさせる本作は、「恐怖の中に希望が鳴る」異色のブルース映画として、全米で高い評価を受けている。
『センチメンタル・バリュー』
『センチメンタル・バリュー(Sentimental Value)』は、ノルウェーの名匠ヨアヒム・トリアー監督が描く、父と娘たちの再会をめぐる静かな家族ドラマ。長く疎遠だった映画監督の父が、母の死をきっかけに娘たちの前に現れ、過去と向き合おうとする。派手な展開はないが、沈黙や視線の一瞬に宿る感情が深く胸に響く。ステラン・スカルスガルド、レナーテ・レインスヴェ、エル・ファニングらの繊細な演技が織りなす、記憶・赦し・芸術をテーマにした感動作であり、観る人それぞれの“家族の記憶”を呼び起こす作品。
『ウィキッド 永遠の約束』
『ウィキッド 永遠の約束(Wicked: For Good)』は、世界的ミュージカルの映画版完結編として2026年3月に日本公開予定。前作で友情と決別を経験したエルファバとグリンダが、それぞれの信念を貫きながら“約束”の意味に向き合う物語です。壮大なスケールで描かれるオズの国の光と影、心を震わせる音楽、そして二人の再会が生む感動が最大の見どころ。善と悪の境界を超えた深い人間ドラマが、魔法と歌で彩られながら、観る者すべての心に「勇気」と「赦し」を残します。
『ハウス・オブ・ダイナマイト』
『ハウス・オブ・ダイナマイト』は、正体不明のミサイルがアメリカ本土に向けて発射されたという緊急事態を描く政治サスペンスです。わずか18分で国家の命運が決まるという極限状況の中、ホワイトハウス、軍、専門家たちが混乱と葛藤の中で判断を迫られます。監督は『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。主演のイドリス・エルバらが重厚な演技で、国家の危機と人間の良心を体現します。緊迫した時間の中で浮き彫りになる「決断の重さ」と「システムの脆さ」が最大の見どころです。
『It Was Just an Accident』(仮称:それはただの事故だった)
『イット・ワズ・ジャスト・アン・アクシデント』(It Was Just an Accident, 2025)は、イランの名匠ジャファール・パナヒ監督による社会派サスペンスドラマ。ささいな交通事故をきっかけに、かつての政治囚たちが「自分を拷問した男ではないか」と疑う人物を追い詰めていく中で、復讐と赦しの狭間で揺れる人間心理を描きます。派手な演出を避け、車内の会話や沈黙で緊張を高める構成が特徴。偶然の連鎖が人生を変えていく恐ろしさを静かに浮かび上がらせる、パナヒ監督らしい問いかけの力に満ちた作品です。
『Bugonia』(仮称:ブゴニア)
『Bugonia(ブゴニア)』は、『ロブスター』『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス監督による最新作。陰謀論に取り憑かれた若者たちが、巨大製薬企業の女性CEOを「地球を滅ぼす宇宙人」だと信じて誘拐する、ブラックユーモアとサスペンスが交錯する物語です。主演はエマ・ストーン。蜂や再生の神話“Bugonia”をモチーフに、信念と狂気の境界を描きます。密室で繰り広げられる心理戦、静けさの中の緊張、笑いと不安が入り混じる演出が見どころ。人間の「信じる力」がどこまで危うくなれるのかを問う、知的で不気味な一本です。
『マーティ・シュプリーム』
『マーティ・シュプリーム』(Marty Supreme)は、ジョシュ・サフディ監督による1950年代ニューヨークを舞台としたスポーツ・ドラマです。ティモシー・シャラメが演じる若き卓球選手マーティが、誰にも理解されない夢と執念を胸に“最高(Supreme)”を目指す姿を描いています。実在の卓球選手マーティ・リースマンに着想を得ており、卓球を単なる競技ではなく「芸術」として表現している点が特徴です。激しい試合の臨場感やレトロな映像美、そしてサフディ監督らしい人間のリアルな葛藤が交錯する、情熱と孤独の物語です。
『ジェイ・ケリー』
映画『ジェイ・ケリー』(2025年)は、ノア・バームバック監督が手がける人間ドラマ。ジョージ・クルーニー演じる往年の映画スターが、マネージャー(アダム・サンドラー)とともにヨーロッパを旅しながら、自らの過去と向き合い、“人生の意味”を見つめ直す物語です。華やかな名声の裏にある孤独、家族との絆、そして再生の瞬間を、静かな映像美と繊細な会話で描きます。派手さではなく心の深さで観客を惹きつける、成熟した大人のためのロードムービーです。
『The Secret Agent』(仮称:ザ・シークレット・エージェント)
1970年代のブラジル、独裁政権の終わりが近づく混乱の中で、元大学教授アルマンドは偽名を使い逃亡生活を送っていた。彼の目的は、離れて暮らす息子と再会すること。だが、街には密告と監視がはびこり、誰が味方で誰が敵か分からない。そんな中で起こる「サメの腹から人間の足が見つかる」怪事件が、社会の闇を象徴する。本作『ザ・シークレット・エージェント』は、派手なアクションよりも“沈黙”と“視線”で恐怖を描く政治スリラー。監督クレベール・メンドンサ・フィリオが、抑圧と自由、記憶と忘却のはざまで生きる人々を静かに映し出す。
『端くれ賭博人のバラード』
Netflix映画『端くれ賭博人のバラード』(Ballad of a Small Player)は、マカオのカジノ街を舞台に、過去と借金から逃げ続ける元金融マンが“運命の女”と出会い、人生の終着点で再生を模索する心理ドラマ。監督は『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー、主演はコリン・ファレル。華やかなネオンの裏に潜む孤独や罪を、静かな演出と詩的な映像で描く。ギャンブルの緊張感だけでなく、運と赦し、そして“人は何を賭けて生きるのか”という普遍的なテーマが心に残る。
『ウォーフェア 戦場最前線』
『ウォーフェア 戦場最前線』(原題:Warfare)は、A24が製作し、アレックス・ガーランドと元米海軍特殊部隊員レイ・メンドーサが共同監督を務めた戦争ドラマ。2006年のイラク・ラマディを舞台に、米軍特殊部隊SEALsの小隊が過酷な任務に挑む一日をリアルタイムで描く。派手な戦闘シーンよりも、兵士の呼吸や恐怖、判断の瞬間に焦点を当て、観客がまるで現場にいるような没入感を体験できる。全米では「最もリアルな戦場映画」と高く評価され、戦争を“体験”として描いた新しいアプローチが話題となった。
『レンタル・ファミリー』
『レンタル・ファミリー』は、アカデミー賞俳優ブレンダン・フレイザーが日本を舞台に主演する感動のヒューマンドラマです。東京で俳優として行き詰まったフィリップが、「レンタル家族」という他人の家族を演じる仕事を通じて、人とのつながりや本当の自分を見つけていく物語。監督は『37セカンズ』のHIKARI。静かな映像と繊細な演技で、孤独や優しさといった日本社会のリアルを描きます。大きな事件はなくても、心の中で起こる小さな変化が深く響く——そんな“静かな感動”を味わえる一作です。
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、ロックの伝説ブルース・スプリングスティーンが「成功の手前」で経験した創作の孤独を描く音楽ドラマです。1980年代初頭、ニュージャージーの静かな部屋で、彼は4トラック録音機を前に自分自身と向き合い、やがて名作『Nebraska』を生み出します。華やかなライブではなく、音楽が生まれる“沈黙の時間”を丁寧に映し出す本作。主演ジェレミー・アレン・ホワイトが、若き日のブルースの葛藤と誠実さを体現し、スコット・クーパー監督が「創造とは何か」という普遍的な問いを静かに投げかけます。
『フランケンシュタイン』
映画『フランケンシュタイン』は、ギレルモ・デル・トロ監督が長年の夢として実現させたゴシック・ドラマ。19世紀ヨーロッパを舞台に、若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインが死者の肉体をつなぎ合わせ“命”を創造する。しかし誕生した存在は世界に拒まれ、創造主と被造物の間に深い悲劇が生まれていく。ホラーという枠を超え、孤独や赦し、愛をテーマにした感情の物語として描かれるのが見どころ。デル・トロらしい繊細な美術と照明、そして怪物の“人間らしさ”に注目。
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、ジェームズ・キャメロン監督による「アバター」シリーズ第3章。舞台はパンドラの火山地帯。火と灰に包まれた世界で、ジェイクとネイティリ、そしてサリー家の子どもたちが新たな部族「アッシュ・ピープル」と出会い、過去と向き合いながら再び戦いに挑む。シリーズのテーマである「自然と共生」「家族の絆」が、炎と灰という象徴的なビジュアルでより深く描かれる。映像技術の革新と感情の物語が融合した、圧倒的没入型の体験が見どころ。
『アフター・ザ・ハント』
映画『アフター・ザ・ハント(After the Hunt)』は、名門大学を舞台にした心理スリラー。教授アルマ(ジュリア・ロバーツ)は、信頼していた同僚ハンク(アンドリュー・ガーフィールド)が学生から性的加害を告発されたことで、自身の信念と立場の狭間で揺れ動く。声を上げる学生、沈黙する教授、曖昧な真実――その全てが交錯し、人間の“正しさ”とは何かを問う。監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ。繊細な演出と重厚なテーマが融合し、観る者に深い余韻を残す一本となっている。
『The Smashing Machine』(仮称:スマッシング・マシーン)
映画『スマッシング・マシーン(The Smashing Machine)』は、実在の総合格闘家マーク・カーの波乱に満ちた人生を描くA24製作の実話ドラマです。主演のドウェイン・ジョンソンが、これまでの“ロック様”のイメージを一新し、栄光と依存、孤独に苦しむ男を繊細に演じています。監督は『アンカット・ダイヤモンド』のベニー・サフディ。格闘技の迫力とともに、人間の「強さとは何か」を問う作品であり、痛み・再生・愛を描いた深いヒューマンドラマとして、2026年の賞レースでも注目を集めています。
『The Testament of Ann Lee』(仮称:アン・リーの遺言)
18世紀の宗教指導者アン・リーの生涯を描いた『The Testament of Ann Lee』は、信仰と身体表現をテーマにした芸術的ドラマです。監督はモナ・ファストヴォルド、主演はアマンダ・セイフライド。歌とダンスを通して「神を感じる」独特の礼拝スタイルを持つシェイカー教の世界を、静謐で詩的な映像で描きます。宗教やジェンダー、共同体の理想を繊細に問いかける本作は、観る者の心に深い余韻を残す作品。感覚で信仰を“体験”するような映画です。
『If I Had Legs I’d Kick You』(仮称:足があれば、あなたを蹴っていた)
A24製作の映画『If I Had Legs I’d Kick You』は、崩れゆく家庭と心の限界を描いた心理ドラマです。主人公リンダ(ローズ・バーン)は、病気の娘を抱えながら仕事と家庭の両立に苦しむ母親。家の天井が崩れ、モーテルでの避難生活を送る中で、頼れるはずの人間関係が少しずつ歪んでいきます。監督メアリー・ブロンスタインが自身の体験をもとに描くこの物語は、母性と自己喪失の狭間で揺れる女性のリアルを映し出し、観る者の心を静かに締めつけます。ローズ・バーンの繊細な演技が光る、痛みと優しさが同居する一本です。
『Die My Love』(仮称:ダイ・マイ・ラブ)
映画『Die My Love(ダイ・マイ・ラブ)』は、リン・ラムジー監督が描く“母性と狂気”の心理ドラマです。都会から田舎へ移り住んだ女性グレース(ジェニファー・ローレンス)は、出産後の静かな暮らしの中で、言葉にできない孤独と不安にのみ込まれていきます。現実と幻想の境界が曖昧になる映像表現が特徴で、観客は彼女の心の中に迷い込むような体験をします。ローレンスの繊細な演技と、光と音で感情を映すラムジー監督の映像美が融合し、愛の優しさと痛みを同時に感じさせる作品です。
『F1®/エフワン』
映画『F1®/エフワン』は、ブラッド・ピット主演・ジョセフ・コシンスキー監督によるモータースポーツ大作。かつて伝説と呼ばれながらも事故で引退したドライバーが、再びF1の舞台に挑む姿を描く。実際のグランプリ会場で撮影されたレース映像は圧巻で、エンジン音や振動までもが伝わる“体験型映画”として話題に。スピードの裏にある人間ドラマ、ベテランと若手の葛藤、そして再起への情熱が交錯する。F1を知らない人でも、挑戦と絆の物語として心を揺さぶられる作品。
『ヘッダ』
映画『Hedda(ヘッダ)』は、ヘンリック・イプセンの名作戯曲『ヘッダ・ガーブレル』を現代的に再構築した心理ドラマです。監督は『キャンディマン』『ザ・マーベルズ』のニア・ダコスタ、主演はテッサ・トンプソン。舞台は華やかな屋敷で開かれる一夜のパーティー。誰もが理想の女性と称えるヘッダが、抑圧と欲望の狭間で揺れ動き、やがてすべてを壊していく姿が描かれます。映像美、衣装、音楽の完成度が高く、彼女の静かな微笑みの裏に潜む怒りと孤独が観る者の心に迫ります。美しくも危うい「自由への渇望」を描いた注目作です。
『Is This Thing On?』(仮称:このマイク、入ってる?)
『Is This Thing On?(イズ・ディス・シング・オン?)』は、離婚を迎えた中年の男性アレックス(ウィル・アーネット)が、人生の再出発としてスタンドアップ・コメディに挑戦する物語です。共演のローラ・ダーン演じる元妻テスとの静かな関係修復や、親としての成長が丁寧に描かれ、笑いと痛みが共存するヒューマンドラマとなっています。ステージで自分の弱さをさらけ出す姿は、誰にとっても共感できる“人生のリハビリ”のよう。ブラッドリー・クーパーが製作に携わり、リアルで温かな人間描写が話題を呼んでいます。
『Vie Privée』(仮称:プライベート・ライフ)
フランス映画『Vie Privée(ヴィ・プリヴェ)』は、ジョディ・フォスターが初めて全編フランス語で主演する心理スリラー。名高い精神科医リリアンが、担当患者の自殺をきっかけに真相を探り始める物語です。監督はレベッカ・ズロトフスキ。冷静なプロフェッショナルが“真実を知りたい”という衝動に駆られ、職業倫理と個人感情の狭間で揺れ動く姿を描きます。静寂の中に潜む緊張感、繊細な映像美、そしてフォスターの表情だけで語る演技が見どころ。派手な展開はないものの、観る者の心を静かに揺さぶる知的で深い一本です。
『Blue Moon』(仮称:ブルー・ムーン)
映画『Blue Moon(ブルー・ムーン)』は、リチャード・リンクレイター監督とイーサン・ホークが再びタッグを組んだドラマ作品。ブロードウェイ黄金期、名作詞家ロレンツ・ハートがかつての相棒リチャード・ロジャースの成功を見つめながら、自身の才能と孤独に向き合う一夜を描く。舞台はバーの片隅、時間はたった数時間。派手な展開はなく、会話と沈黙だけで心の葛藤を映し出す。繊細な演技、静かな照明、そして名曲「Blue Moon」に込められた想いが、観る人の胸に深く響く。
『Song Sung Blue』(仮称:ソング・サング・ブルー)
『Song Sung Blue(ソング・サング・ブルー)』は、ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソン共演による実話ベースの音楽ドラマ。アメリカ・ミルウォーキーで活動した夫婦ミュージシャンをモデルに、挫折した二人がニール・ダイアモンドのトリビュートバンドを結成し、もう一度夢と愛を取り戻していく物語です。監督は『ハッスル&フロウ』のクレイグ・ブリュワー。ヒュー・ジャックマンが魂の熱唱を披露し、音楽の力が人生を再び照らす瞬間を描きます。温かく、希望に満ちた“再生のステージ”が心に響く感動作です。
『The Life of Chuck』(仮称:ライフ・オブ・チャック)
スティーヴン・キング原作、マイク・フラナガン監督による映画『The Life of Chuck(ライフ・オブ・チャック)』は、ある平凡な男チャールズ・“チャック”・クランツの人生を、終わりから始まりへとさかのぼる形で描く感動のドラマです。世界が静かに崩れていく中で浮かび上がるのは、愛・記憶・感謝といった普遍的なテーマ。ホラーではなく、人生の美しさを静かに讃える作品であり、トム・ヒドルストンの繊細な演技と幻想的な映像が心を温かく包みます。観終わったあと、誰かに「ありがとう」と伝えたくなるような一作です。
『ロスト・バス』
Apple TV+で配信中の映画『ロスト・バス(The Lost Bus)』は、2018年にカリフォルニア州で実際に起きた山火事をもとにした実話ドラマです。スクールバスの運転手と教師が、炎に包まれた街から子どもたちを救い出すために命懸けで脱出を試みる姿を描きます。監督は『キャプテン・フィリップス』『ユナイテッド93』のポール・グリーングラス。手持ちカメラによる臨場感とリアルな火災描写が、観る者をまるで現場にいるかのように引き込みます。派手なヒーローではなく、ふつうの大人たちの勇気と判断力を静かに描いた、心を揺さぶるサバイバル・スリラーです。
『トレイン・ドリームズ』
Netflix映画『トレイン・ドリームズ』は、20世紀初頭のアメリカ北西部を舞台に、森を切り開き鉄道を築く時代を生きた男・ロバートの静かな人生を描いたヒューマンドラマです。派手な事件はなく、自然の音や光、季節の移ろいを通して「生きるとは何か」を穏やかに問いかけます。監督はクリント・ベントリー、主演はジョエル・エドガートン。風景が語り、沈黙が感情を伝える映像詩のような作品で、働くこと・愛すること・喪失することの美しさを静かに映し出します。ゆっくりと心に沁みる、Netflixの隠れた名作です。
『Nouvelle Vague』(仮称:ヌーヴェル・ヴァーグ)
1959年のパリを舞台に、若き映画人たちが“映画をもっと自由に撮りたい”という情熱で立ち上がる姿を描く『ヌーヴェル・ヴァーグ』。リチャード・リンクレイター監督が、ジャン=リュック・ゴダールやトリュフォーらが巻き起こした映画革命「フランス・ニューウェーブ」の誕生をリアルに再構築。白黒映像で再現された当時の空気、手持ちカメラの臨場感、俳優たちの即興的な演技が、映画が“生きていた時代”を鮮やかに蘇らせる。映画を愛するすべての人に贈る、創造の喜びと自由へのオマージュ。
『Sirāt』(仮称:シラート)
映画『Sirāt(シラート)』は、スペインとフランスの共同制作によるロードムービー。行方不明になった娘を探す父と息子が、モロッコ南部の砂漠を旅しながら「最後のレイヴ」と呼ばれる音楽祭を目指します。静寂と爆音、孤独と陶酔が交錯する中で、ふたりは喪失と再生の意味を見つめ直していく――。映像は16mmフィルムで撮影され、光と風の描写が圧倒的に美しく、音楽が“言葉”の代わりに感情を語ります。カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した本作は、音と映像が一体となった“体験する映画”として高い評価を得ています。
『Sound of Falling』(仮称:サウンド・オブ・フォーリング)
映画『Sound of Falling(2025)』は、北ドイツの静かな農場を舞台に、異なる時代を生きる4人の少女の人生を通して「時間」「記憶」「場所」のつながりを描いた詩的なドラマです。派手な展開はなく、風の音や沈黙、光の移ろいが登場人物の感情を映し出します。カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、「何も起きないのに心が震える映画」として話題に。映像美と音の演出が見どころで、観る人それぞれの記憶を静かに呼び覚ます、まさに“感じる映画”です。
📺どこで視聴できる?(公開スケジュールまとめ)🎥
- ワン・バトル・アフター・アナザー(公開中)
- スプリングスティーン 孤独のハイウェイ(公開中)
- ジェイ・ケリー(公開中)
- アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ(2025年12月19日)
- ウォーフェア 戦場最前線(2026年1月16日)
- センチメンタル・バリュー(2026年2月20日)
- レンタル・ファミリー(2026年2月27日)
- ウィキッド 永遠の約束(2026年3月)
- マーティ・シュプリーム(2026年3月)
- ハムネット(2026年春)
- The Secret Agent
- Bugonia
- It Was Just an Accident
- The Smashing Machine
- The Testament of Ann Lee
- If I Had Legs I’d Kick You
- Die My Love
- Is This Thing On?
- Vie Privée
- Blue Moon
- Song Sung Blue
- The life of Chuck
- Nouvelle Vague
- Sound of Falling
- Sirāt
最新情報に関しては確認でき次第更新していきます!(更新が遅れたらゴメンなさい。)












































