💸**「NISAって、本当に得なの?なんか裏があるんじゃ…?」**
こんな声をSNSや投資系YouTube、匿名掲示板などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
せっかく“非課税”という魅力的な制度なのに、一部では**「国の陰謀」**とまで言われてしまうNISA制度。
この記事では、なぜそのような疑念が生まれるのかを行動経済学や社会心理の観点から解き明かしながら、「本当に怪しい制度なのか?」という疑問に真正面から向き合っていきます。
✅そもそもNISAとは?ざっくりおさらい
NISA(ニーサ)は、株式や投資信託などに投資して得られた運用益が非課税になる制度です。
2024年から制度が刷新され、より使いやすくなった「新NISA」では以下のような特徴があります。
- 年間投資枠:最大360万円(つみたて枠120万円+成長投資枠240万円)
- 非課税期間:無期限(売却後も再利用可能)
- 非課税対象:譲渡益、分配金(配当)
つまり、コツコツ積立でも一括投資でも、売却益や配当がまるごと非課税になるという「超お得」な制度です。
🤔それなのに、なぜ「陰謀論」がささやかれるのか?
「儲けた分に税金がかからない」なんて、普通に考えればありがたい話のはず。
それなのに、「これは罠だ」「国に監視されるぞ」といった声がなぜ出てくるのでしょうか?
以下にその主な理由を整理してみます。
①「国が投資を煽るなんて怪しい」心理
日本はこれまで貯金信仰が強く、「投資=危ないもの」と教えられて育った世代が多いです。
そんな中で急に政府が「投資をしましょう!」「NISAを活用しましょう!」と広報しはじめたことに対して、
「なぜ急に投資を推奨するのか?裏があるのでは?」
と身構えてしまう人も少なくありません。
特に投資経験が浅い層にとっては、「リスクのある行動を国が勧める=何か目的があるに違いない」と疑念を抱く傾向があります。
②マイナンバーと口座の紐付け問題
2024年からNISA口座にはマイナンバーの提出が義務になっています。
その結果、
「口座が監視されている」
「儲けたら全部バレる」
「将来的に課税対象にされるのでは?」
という“監視社会”への懸念と結びついた不信感が一部で拡散しています。
もちろん、現状NISAで得た利益に対しては非課税が保証されており、課税される予定もありませんが、将来の制度変更への警戒感が根強いのも事実です。
③「途中でルールが変わるかも」という不安
過去に金融庁が制度を何度も改定してきた経緯から、
「せっかく積み立てたのに、数年後に制度が改悪されたら?」
「非課税じゃなくなるんじゃ?」
という声も一定数あります。
この不信感の根底には、年金や増税など、これまで**“政府に期待して裏切られた”**経験がある日本人の国民感情が影響していると言えるでしょう。
④SNSやYouTubeで広がる陰謀論
昨今では、“怪しい”インフルエンサーや陰謀論的な投稿がSNSや動画で拡散されやすくなっています。
「NISAで資産を政府が吸い上げる」
「国が国民の資産を掌握する布石」
といった言説が、合理的な反証がなされないまま一人歩きするケースも。
事実よりも“感情に訴える内容”のほうが人の記憶に残りやすいため、特に不安を抱える層に響いてしまうのです。
🧠それでもNISAは賢く使うべき制度!
ここまで疑念や不信感の原因を見てきましたが、NISA自体は極めて優れた制度であることに変わりはありません。
非課税という仕組みは、複利の恩恵を最大限に活かすことができる強力なツールです。
仮に年利5%の運用であっても、20年後の資産は税引きの有無で20%以上の差が生まれます。
🧮例え:
100万円を5%で20年間運用した場合
- NISA(非課税):約265万円
- 課税あり(20.315%):約225万円
→ 約40万円の差が出る!
🔍どう使えば安心か?疑念を払拭するポイント
✔ 公的サイトで制度を確認する
金融庁や証券会社の公式ページで情報を確認しましょう。
怪しいSNSよりも、一次情報を信頼する習慣が大切です。
✔ マイナンバーとの紐付けは税務管理のため
決して資産没収や監視目的ではありません。むしろ税の二重取りを防ぐための健全な仕組みです。
✔ 長期・分散・積立をベースにする
一発逆転ではなく、「地道にコツコツ増やす」ことがNISAの本来の目的。リスクを取りすぎなければ怖くありません。
✨まとめ:NISAは「国の罠」ではなく、「未来の自分の味方」
確かに、国の政策には意図があります。しかしそれは老後資金の不足に備え、国民に“自助努力”を促すためのもの。
NISAはそのために用意された“合法的に税金がかからない珍しい制度”です。
これを利用しない理由はありません。
「国が勧める=怪しい」と思考停止するのではなく、情報を精査し、自分の頭で考える力こそが投資家としての第一歩です。